杉が住環境を変える~きれいな空気・心地よい眠り~

 
実施日:2009年1月18日(日)14:00~16:30
場 所:大阪市立住まい情報センター 3階 ホール
講 師:川井 秀一(京都大学生存圏研究所所長)、藤田 佐枝子(森林インストラクター、もく(木)の会メンバー)
主催:
NPO法人 もく(木)の会、大阪市立住まい情報センター

当日は、少し肌寒い小雨の中、115名という大勢の方々のご来場がありました。 


開場時には、大阪の「杉」と「桧」が来場者全員に配布されました!
(提供:
大阪府森林組合

 


■1.杉が住環境を変える~スギ材の空気質浄化機能の開発~ 京都大学生存圏研究所所長 川井 秀一 


講義の様子

<はじめに>
 森林の成長は、地球環境問題において温暖化抑制につながり、二酸化窒素やオゾンなどの大気汚染物質の吸収元とされています。
 現在、国内では森林資源は充実しつつあるが、それを生かせず 山が荒れています。
 今後、森林整備と国産材の有効活用を行い、地球環境と木材資源の獲得が重要な課題となります。

<スギ材の空気質浄化機能の開発>
 スギ材を使用した室内は、外気に影響されにくく 温度変化がマイルドで、かつ、湿度も一定に保つことができる(調湿機能)といったメリットがあります。また、最近スギ材が大気汚染物質を吸収する機能があることがわかってきました。2種類のスギ材を使用し、大気汚染物質の浄化能力を評価したところ、
1.スギ心材に大気汚染物質を浄化する能力が大きいこと
2.とくに、木口面において効果が大きいこと
3.含水率の影響が見られること
などが明らかになりました。しかし、木口材では建材として実用的でないため、板目材や柾目材に「スリット」や「V溝」加工等を施すことにより、木口面を露出する加工を加えたものについても上記と同様に評価しました。その結果、大気汚染物質の浄化能力だけでなく、調湿機能もまた大きく向上することが明らかになりました。

<最後に>
 スギ材には鎮静効果があり、私たちが暮らす居住空間においてとても有用です。
 今後、木材のヒトへの生理・心理作用について研究を進め、「人の健康」と「住まいのあり方」について考えていきたいと思います。 


スギ材に「スリット」や「V溝」加工がされた建材が展示されました
(参考見本で、現在特許申請中で、商品化に向けて研究開発中です) 


京都大学生存圏研究所
所長 川井 秀一
(かわい しゅういち)

 


■2.杉で作る健康空間 NPO法人もく(木)の会 藤田 佐枝子 


講義の様子

◇杉の機能と健康空間の関係
1.空気浄化作用
 人体や脳が必要とする空気量は、「1日当たり20Kg」とも言われています。そのため、私達は新鮮でかつ大量の空気を必要としています。
 あるIT企業のオフィスに、「杉」の会議室と「桧」の会議室を作りました。その会議室は、「落ち着く」、「頭が冴える」、「アイデアがよく浮かぶ」と言った評価をいただきました。
2.調湿作用
 あるお宅で、スギ材を全面に使用した室内で調湿作用を実験したところ、エアコンを入れても湿度が下がらず、快適な湿度を保つことができました。

◇杉の健康的な使い方(施工例をとおして)
 改装のご要望でよくあるのは「リビング」ですが、「寝室」、「子供部屋」、「押入れ」、「ベランダ」などにも積極的に使っていただきたいと思っています。
1.床は、簡単に「カーペット」感覚で施工することが可能です
2.壁は、「腰壁」あるいは「壁の一面又は全面」に施工しますが、施工が難しい場合には建具や家具等で代用が可能です
3.天井は、視覚的に効果がある使い方で、「目に見えてやさしい」、「安らぐ」などといった効果が期待できます

◇健康仕様の注意点
1.スギ材でも乾燥材を使用すること
2.接着剤に頼らない施工をすること
3.仕上げは自然塗料を使用すること
4.日常のメンテナンスは水拭きですること

◇杉のよさを住まいに生かす 施工例の紹介
 スギ材を内装に取り入れ、体調が良くなった事例紹介が2件ありました。 


NPO法人 もく(木)の会
藤田 佐枝子
(ふじた さえこ)

 


■3.質疑応答
参加者から質問が寄せられ、講師陣が回答しました。 


質疑応答の様子

 


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参加者の声(抜粋)
・川井先生は体系的で分かりやすかったです。
・とても良いセミナーだと思います。環境にも良く人体にも良いとは一石二鳥ですね!
・スリット材の商品化、期待しています。