失敗しないマンション大規模修繕~あなたのマンションを財産として守るには~
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日時:2010年1月24日(日) 13時30分~17時 (受付13時~)
会場:大阪市立住まい情報センター 3Fホール
講師:NPO集改センター代表理事 田村哲夫 他(詳しくは文中)
●第1部 基調講演:「失敗しないマンション大規模修繕の3つのポイント」
田村哲夫
田村哲夫
(1)財産としてのマンションの状況を知る
マンションの置かれた社会的状況・陥りがちな状況として、7つの危機があります。「建物と設備の放置」「管理運営の放置」「人口減少と中古マンション購入者層の減少」「少子高齢化」「男女比のアンバランス化」「意見と文化の多様化を容認できない」「共通認識の育成不足」であり、これを踏まえてマンション管理にかかわる、あるいはマンション居住をすべきだと指摘されました。
②建物の不具合箇所と劣化状況を知る
建物の不具合の状況を画像により見せていただきました。鉄筋コンクリートの天敵は、酸素・二酸化炭素・水であり、防水膜の破損、ひび割れや鉄筋露出はこれを進行させるので大敵です。劣化は、躯体の弱化だけでなく、剥離や段差などは安全面での問題でもあります。その他、天井が白くなっている、手すりのぐらつき、雨どいの漏水など素人でも目視でわかる事例を画像で説明いただきました。
③設備の不具合箇所と劣化状況を知る
見えない部分である、設備の不具合を知るため、給水管や排水管に何が使用されているか、錆びる管なのか錆びない管なのかを知っておくことが必要。見えない部分は、ファイバースコープによる配管内部調査もあることを紹介されました。目にはみえないが外からわかる方法として、排水臭気の発生、排水異音、屋外排水管経路が陥没などを教えていただきました。その他、生活の質の向上のため、電気容量不足の解消、IH調理器への入れ替えなどがあるとのことです。
④長期修繕計画を見直す
では、そもそも長期修繕計画がありますか?。あるとして中身として駐車場等の「使用料収入」が積立金会計の収入になっていますか、計画書の見直しをしていますか、一時金徴収が計画されていませんか?
入居当初から数年置きの増額では、現在の経済状況では現実的でないため、国土交通省のガイドラインでは、「均等積立金方式」を提案しているということです。
そもそも、大規模改修工事を10数年ごとに計画しているかも重要です。
⑤大規模「改修」工事の目的を再確認する
危険な箇所をなくす、建物躯体に酸素・二酸化炭素・みずを入れない、美しくする、レベルアップ(改善)を検討する、住みながらの工事であることを再確認するということも重要です。
(2)良いコンサルタントと一緒に
管理組合の良きパートナーを選ぶ姿勢が基本ですが、その方法としてまずコンサルタント」を公募し、その際には何をしてくれるかを提案してもらいましょう。また、お金だけで選ぶのではなく、少なくとも3社のプレゼンテーションを受けて比較検討しましょう。会社というよりはどの担当がやってくれるかも重要で、経験をきましょう。
コンサルタントに依頼する業務内容として、「建物観察と報告」「住民意向の把握(アンケート等)」「設計図書等の作成」「総会立会い」「工事監理」などがあり、その概要を説明いただきました。
(3)良い工事業者と一緒に
工事業者の良さは、工事だけでなく住民とのコミュニケーション能力も重要。また、アフターサービスも。見積書では、仕様書等をよく読みこんで内訳書を作成しているかなどチェック項目を説明いただきました。
●第2部 パネルディスカッション
建築士・施工業者・管理組合それぞれの立場からみた大規模修繕工事
建築士・施工業者・管理組合それぞれの立場からみた大規模修繕工事
コーディネーター:田村 哲夫(NPO集改センター代表理事)
パネラー:松山 功(一級建築士)、勝井 健人(一級建築士)、高木 健夫(セントポリア金剛東管理組合 副理事長)、上山 武幸(ヴィルヌーブ学園前Ⅲセンフォニ 修繕副委員長)佐久間 啓介(施工業者 アスファルト防水改修工事を強みとする)、川畑 直樹(施工業者 塗装改修工事を強みとする)
田村さんをコーディネーターに、大規模修繕のコンサルタント実績のある一級建築士、大規模修繕の施工業者、大規模修繕先進事例の管理組合役員をパネリストに、実例から大規模修繕での注意点、工夫などをお話しいただきました。管理組合からは「業者を選ぶことにこそ丁寧に時間をかけるべき」「顔の広い女性を理事に入れて、周知をはかってもらうことも有効」「メールでの施工業者とのやりとりは迅速に対応できる」。
一級建築士からは「施工業者の第一は、安全管理や住民とのコミュニケーションを図りつつ、工事をきちんとこなすこと。例えば、報告書の作成を毎日ワープロで提出などの過度の要求は、第一優先順位をおろそかにすることも。業務の優先順位を配慮すべき」「ミスをみつけることが重要なのでなく、ミスをしないやり方、しくみをみつけていくことに注力すべき」「工事業者に対してやらしてやっている、して当然というスタンスでは、信頼関係が生まれず、コミュニケーションも図れない。水平の立場で話し合って、調整するというスタンスでいてほしい」。
施工業者からは「管理組合がおまかせではなく、勉強をして取り組み、施工業者とのコミュニケーションを図ることで、自身の勉強にもなった」「管理組合以外の住民が大規模修繕をすることを知らない、工事に協力しない(例:共用部の荷物の片づけをしない)などは、適切な工事ができない。まずはそこの周知・徹底をしてほしい」。というような意見がでました。
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●第3部 グループワーキング式相談会
一般市民(第1部~2部の聴講者で事前予約)、マンション管理士、第二部パネラーが構成員となり、6つのグループに分かれ、相談会を開催しました。
グループごとにそれぞれのマンションでかかえる悩みを一般市民が披露し、これに対して専門家等がアドバイスをしました。最後は、グループごとの内容を発表し、田村さんのまとめで終了しました。
●パネル展やDVD上映会も同時開催
会場外のエントランスホールでは、大規模修繕の工程、工事事例、計画書、見積書、仕様書などの書面など大規模修繕にかかるさまざまな内容をパネル展示しました。また、DVD「あなたのマンション給排水設備改修工事の進め方」の上映会も行いました。集改センターの会員が、パネル展示の資料説明やアドバイスを丁寧に行いました。
<参加者の声(抜粋)>
・第一部基調講演に対して「メリハリのある説明で非常にわかりやすかった」「資料・レジュメともよく整理され、インパクトも充分」
・第二部パネルディスカッションに対して「素晴らしいパネルディスカッションで大変勉強になった
