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ホーム > 住まい・まちづくりの ノウハウ > 平成21年度タイアップ事業交流会の報告-2 

住まい・まちづくりの ノウハウ 住まい情報センターが行うセミナーやシンポジウムなどの報告

平成21年度タイアップ事業交流会の報告-2 

日時:平成22年3月14日(日) 13:30~16:30
場所:住まい情報センター5階研修室

<プログラム>
1部:講演 「シブヤ大学の魅力を解剖!~大学という名の新しい地域コミュニティづくりとは~」
   近藤 ナオ氏(NPO法人シブヤ大学 ディレクター兼事業モデル他地域ノウハウ移転責任者)
      高橋 マキ氏(ライター、京都カラスマ大学授業コーディネーター)
2部:交流会 
ゲストスピーカーへの質疑応答や意見交換、名刺交換など
<プログラム企画・司会進行>
   玉井 明子(大阪市立住まい情報センター) 
 
後半は、京都は「京都カラスマ大学」のキーパーソンにお話を聞き、交流会ではざっくばらんな雰囲気のなか、皆で情報交換しあいました。
 
<ゲストスピーカー2 プロフィール>
京都生まれ。文筆家。女性誌に限らず、書店に並ぶありとあらゆる雑誌で、京都特集記事のライティング、時にコーディネートやスタイリングを担当。関西の女性情報誌『HanakoWEST』に「高橋マキのわこもの暦」を連載。08年10 月に開校した「京都カラスマ大学」では運営スタッフとして授業コーディネイトと広報を担当する。プライベートでは、実験的に古い町家に暮らし、昔ながらの日本および京都の暮らしを実践中。09 年9 月には初のエッセイガイド『ミソジの京都- 知る・買う・食べる・暮らす-』(光村推古書院刊)を上梓。

●京都カラスマ大学のホームページ:http://karasuma.univnet.jp/
 
 
高橋 マキ(たかはし まき)
/ライター、京都カラスマ大学授業コーディネーター
 
●京都ではこうできる、姉妹校プロジェクトの試み
 
①全国に仲間がいること、すごく幸せな人のつながりの形
まず、この取り組みの何が面白いかというと、シブヤ大学では渋谷区内で、京都カラスマ大学は京都で、それぞれの街を愛する人たちが毎月集まって授業という形で手をつなぐ、ということ。さらに、そういう同じ気持ちを持ったそれぞれの地域の人たちが全国的で手をつなぐと、もっともっと大きいことが出来るんじゃないか、という思いがあります。例えば、単純に「全国に泊まりに行ける仲間がいる」というのは、すごく幸せな人のつながりの形だと思いませんか?
昨秋に「修学旅行をもう一度。〜京都で感じる 人が織りなす静と動〜」というツーリズムの授業を実施したときは、京都カラスマ大学だけでなく、シブヤ大学、大ナゴヤ大学それぞれのホームページでも生徒募集し、総勢50名ぐらいに泊まりがけで京都の街を学んでいただきました。このときは、スタッフの予想以上に生徒同士が仲良くなって、その後、シブ大メンバーの携帯がプルッと鳴ると、スマ大やナゴヤ大の仲間からで、「仕事で東京に来てるから、飲みに行こうや」という話になったりもしたそうです。そんな話を聞くと、今後も続けていきたいなと思う原動力になりますね。
 
②シブヤ大学のシステムを京都に、でも転んでばかり
姉妹校として1番目に開校したのが京都カラスマ大学(2008年10月設立)ですので、ちょうど4月で1年半になります。現在、授業数が55コマ、先生が72人、登録生徒数が1800人です。
何の意図も策略もないのですが、男女比や世代比というのは面白いぐらい、シブヤ大学と全く同じで、男女比が4対6。登録者1800人のうち20代が300人、30代が600人ずつで半数を占めています。違いといえば、京都はやはり、高齢者がすごく元気な街なので、60代、70代の方の登録も多く、孫世代の生徒さんと一緒に授業を受ける姿も見受けられます。
京都の場合、いちからNPO法人を立ち上げなくても、「うちのNPO法人の中の1部門としてカラスマ大学を運営していきましょう。」と手を挙げてくれる人が居たこと、そして京都にはコンテンツが豊富にあるためスムーズな授業作りが予測されたこともあり、約半年ぐらいで開校することができました。
しかし、いざ始まってみると、転んでばっかりです。何故かというと、シブヤと京都は街のなりたちが違うから。具体的に言えば、まずシブヤ大学のシステムをそのまま京都に持ってきても、それを運営する人も違えば、授業に来る人たちも違います。その街の流儀というのもあります。例えば京都らしさ、大阪らしさ、名古屋らしさ、というようなことですね。渋谷は日本の中でもすごく特別な街だから、シブ大の真似をするだけではうまく立ち行かないことがいっぱいあるということに、開校してからスタッフが気づかされていくんです。その度に転んだり、朝の5時まで会議をして会話を重ねたりしながら、じゃあどうやっていったらいいのかを日々考えています。
 
 
③京都らしさを生かした授業づくりで、ファンをつくる
シブヤ大学の場合は、「遊ぶ街」としてイメージの強い渋谷で、どうやって隣の人と仲良く同じことをやっていく人やコミュニティを見つけるか、を課題に掲げています。しかし地方の場合、京都や大阪も同じですが、町内会やお祭りもある、同級生もいる、友達もすでにいるのです。単にシブ大のモデルを京都に当てはめると、そのあたりが曖昧になってぶれてくるので、新しい目的・目指すところを、うまく見つけることが大切だと思っています。
もう一つ、京都の特徴として、芸大が沢山あるということが挙げられます。すなわち、既存の無料講座やカルチャーを通じたコミュニティが沢山あり、その差別化をするのが大変になっているほどです。シブ大のように爆発的な話題にはなり得ません。だから、スタッフひとりひとりが自分のファンを作る、あるいはスマ大のファンを増やす、ということを着々と積み重ねていこうと思います。ここでいうファンとは、毎回授業に応募してくれる人であったり、資金提供をしてくださる人だったり、場所を「いつでも使いや」と提供してくれる人を1人でも増やすという意味です。
そのためには、まずは「なんか、あそこに寄っといたら、いつもおもしろいことがあるんちゃうかな」と思わせる団体であることが目指せたらなあ、と。寄った人同士が仲良くなって別のコミュニティを作ったりして、新たに街と関わっていく過程や成長を見守る場であることを心がけています。
 
 
●まちを編集する、コンテンツを魅せる切り口とは?
 
 ①ライターとしての引き出しを生かし、京都を面白くみせる
 
私の職業はフリーライターです。「Hanako WEST」や「FIGARO JAPON」「VOGE NIPPON」など、みなさんがよく書店で目にされている雑誌の京都特集のライティングを主に手がけています。
こういう雑誌の仕事をして、丁度干支ひとまわりの12年たったとき、私もそろそろ雑誌という媒体だけでなく、他にも自分の力が生かせる場があったら……と思ったのが2008年のことで、その夏に、シブヤ大学から近藤さんがわたしに会いたいと京都まで来てくれたんです。彼のシブヤ大学ノウハウ移転プロジェクトの初めの一歩は「まず、そのまちの人100人と会ってみる」ことなのだそうで、つまり京都の100人のうちの1人が私だったわけです。
ライターとしての私の仕事は、単に書くだけではなく、東京の出版社とやり取りをしながら、日々新しい京都の情報をどんどん提供していくことです。だから、私の頭の中には京都の「街と人の地図」がまるごと入っています。この地図を京都カラスマ大学に落とし込むと、教室、先生になるわけですよね。いつどんなタイミングで、どこで誰に何をしてもらうかという組み合わせで、いかに面白くみせるかが、これはまさに編集の発想です。つまり、12年間仕事をしてきた中で得た知識や情報、人とのつながりを、京都カラスマ大学の授業づくりに生かしている、というのが私の授業コーディネーターとしての役割なのです。
 
②先生も生徒も勉強になることが、授業コンテンツ企画ノウハウ 
例えば、京都カラスマ大学が始まったばかりのとき、営業担当が京都のお漬物屋さんに協賛授業を打診しました。世代も近い社長様だったため、私たちの取り組みもなんとか理解していただき、「ほな、わかった。うちにも修学旅行生が来るんやけど、工場見学して、糠漬け触って、ビニール袋に浅漬けを入れてお土産に持たせたら、喜んでもらえる。それを大人がやりたいってことやな」と。けれど、私は「それではダメなんです」とはっきりと言いました。ご協賛をいただこうというのに、です(笑)。「それでは、せっかくのその浅漬けを食べる喜びを、帰ってから1人ひとりがバラバラに感じることになってしまいます。浅漬けを食べてみんなで何を思ったかを共有することが、京都カラスマ大学なのです」と。そこで、私は「お漬物の切り方を教えていただけませんか」と言ったんです。「丸ごと買ってきたお漬物を、みじん切りにするのか、糠を洗うのか、洗わないのか、そういう当たり前のことを、私たちは教えてもらわないとわからない世代なんです。例えば小茄子のからし漬けをすっかり洗ってしまって、美味しさがわからなかった、なんてしょっちゅう耳にしますし」。そうしたら、社長様は半信半疑で「ほんまに、そんな簡単なことでええの?」と。こうして生まれたのが、「京の暮らしの知恵を知る。おつけもの切り方教室」です。授業には、20代の女性が多数参加されていましたが、殆ど包丁を持つのもおぼつかないなかで、60代の生徒さんが「トントントン」と良い音を鳴らしただけで、「ウオー」と歓声が上がるんです。もう、みじん切り以前の問題(笑)。それを見た社長様はびっくりしながらも、知らなかった現実を目の当たりにした、といったご様子で、最後には「ありがとう。僕も勉強させてもらいました」とおっしゃってくださいました。先生も勉強になる、私達も勉強になる。京都カラスマ大学ではそういう授業づくりを心がけているのです。
 
 
2部:交流会
 
 交流会では、大阪で設立段階の「大阪ハンシンカン大学」のお話や、みんなでシェアした内容を共有したり、質疑応答では「いろんな企業とのコラボレーションの秘訣」「公共機関とうまく付き合う方法」「100人に会って協力メンバーを集めるノウハウ」などの質問が絶えない時間となりました。
セミナーのなかで参加者同士が学んだことを、それぞれの観点から対話しあうことで、隣同士話しやすい雰囲気になり、セミナー終了後も、名刺交換などで個別に交流しあうなどで盛り上がりました。
 
質疑応答の様子
3、4人のちいさなグループになって、講演の内容を参加者同士がシェアして交流している様子

前半の近藤ナオさんのお話はこちら≫

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